業務用自作PC製作所

独自の基準で業務用の自作PC製作&メンテナンス等

インテルのメインストリーム・コンシューマ向けCPUが4コアで止まってる理由

インテルのi7-4790K・6800K・6900Kと使って分かったことは、ブラウジングやゲームなど“世間一般の大多数”の用途ではマルチスレッド性能よりもシングルスレッド性能の方が大事だったりする。つまり、メインストリーム向けに6コアを出してしまうと、4コアより高いお金を出したのに性能はよくないぞと“世間一般の大多数”の消費者は不満を持つ事態になってしまう。しかし現状は6コア・8コア・10コアとコアを増やすと技術的な問題で高いクロックのものは作れない。そんなわけでインテルのメインストリームは4コアのままコアは増やさずに進化を続けているのかなあと。6コア以上はこの辺の事情が分かっているエンスージアスト向けにプラットフォームを分けて発売し、前述のような不満が出てしまう事態を回避しているわけです。

ここで流れが変わってきそうなのがAMDRyzenが発売されること。

AMD Ryzen CPU Core
/Threads
L3 TDP Base Turbo XFR Price
Ryzen 7 1800X 8/16 16MB 95W 3.6GHz 4.0GHz 4.0GHz+ $499
Ryzen 7 1800 Pro 8/16 16MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 7 1700X 8/16 16MB 95W 3.4GHz 3.8GHz 3.8GHz+ $389
Ryzen 7 1700 8/16 16MB 65W 3.0GHz 3.7GHz N/A $319
Ryzen 5 1600X 6/12 16MB 95W 3.3GHz 3.7GHz 3.7GHz+ $259
Ryzen 5 1600 6/12 16MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 5 1500 6/12 16MB 65W 3.2GHz 3.5GHz 3.9GHz+ $229
Ryzen 5 1400X 4/8 8MB 65W 3.5GHz 3.9GHz N/A $119
Ryzen 5 1400 4/8 8MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 5 1300 4/8 8MB 65W 3.2GHz 3.5GHz 3.8GHz $175
Ryzen 3 1200X 4/4 8MB 65W TBA 3.4GHz N/A $149
Ryzen 3 1200 4/4 8MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 3 1100 4/4 8MB 65W 3.2GHz 3.5GHz N/A $129

※XFR・・・冷却性能依存の自動OC機能

リークされたラインナップを見ると、AMDRyzenは6コア・8コアでもかなり値段がリーズナブル。性能も6800K、6900Kに匹敵するとか?この辺は実際の数字が出てこないと何とも言えませんが。これでインテルも6コア・8コアをメインストリームに投入せざるを得なくなってくるでしょう。現行のBroadwell-Eのようなものでは4コア比で体感遅いと消費者の不興を買う事態になってしまうので、ここでやっとインテルも多コア・高クロック路線に本腰を入れてくるのではと予想。AMDの安さや消費電力の低さばかり話題になっていますが、個人的には6コア以上の多コア高クロックCPUこそ求めるものなので、そういう方向でインテルAMDが競い合って開発が一気に進めばいいかなあと思っています。

 

ダンボール製PCケース自作 羊の皮をかぶった狼?

PCケースが足りない事態になってしまい・・・

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急遽、ダンボール製PCケースを自作?という程のものではないけど。ほぼダンボールの上に置いただけ。あくまで緊急避難用なので、電源は外付け仕様。

 

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noctua NH-D15Sがちょうどいい高さ。

 

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背面コネクタ、グラボの穴は現物合わせでカッターで切りぬき。中身は4.0GHzにライトOCしたi7-6900K、外見はダンボールでも中身はハイパワーマシン。一応、排熱ファンだけは付けておきました。山洋電気のF12-PWM。最低回転数が高めの850rpmかつ回転数の割に音が大きいのでお蔵入りになっていたファン。上2点しか止めていません。2点止めは普通に自作する際でもCPUクーラーにファンを付ける時はよくやります。対角だけ止めておけば十分ですし、メンテ時の付け外しの時に楽です。今回は対角より上2点の方が安定しそうなので上2点。

 

それと画像では見えませんがグラボのブラケットがダンボール底面側に抜けるように穴あけ。そうしないとグラボがマザーボードに完全に刺さらず浮いてしまいます。

 

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稼働中。corsairの400Cに入れていた時と比べて多少温度が上がりやすいようです。吸気ファンも付けようかな?

 

ダンボール製PCケースは発火の恐れがあるため、常用は止めた方がいいかも。目の届く場所での緊急避難用や、動作確認用ぐらいですね。今週はこれで乗り切るツモリですが、来週までにはマトモなPCケースに収めたい。

 

i7-6800K 外れ石 常用オーバークロック設定

i7-6800Kを扱うのは諸事情で3つ目なのですが、一つ目の6800KはCPU-Z読みで1.195Vで4.125GHz 、二つ目の6800Kについては同じく4.125GHzの場合1.2Vをわずかに超える程度でOCCT10分を完走することができました。しかし3つ目の6800Kは何とCPU-Z読みで1.25Vまで電圧を盛らないと4.0GHzを完走できません。4.125GHzじゃなく4.0GHzが1.25V。こんな外れ石もあるんですね…トホホ。以下、ASUS X99-AのBIOS設定変更箇所。

Ai Overclock Tuner XMP
 XMP XMP DDR4-3000 15-15-15-35-1.35V
 CPU Strap 125MHz
 BCLK Frequency 125.0
CPU Core Ratio Sync All Cores
 1-Core Ratio Limit 32
Max.CPU Cache Ratio 28
DRAM Frequency DDR4-3000MHz
EPU Power Savinig モード 無効

Fully Manual Mode Enabled
CPU Core Voltage 1.250000
CPU Cache Voltage 1.250000
CPU System Agent Voltage 1.290625
CPU Input Voltage 1.920

6900K の時と同じくオフセットではなくマニュアルで設定しみました。ちなみにオフセットでも電圧はこのぐらいまで盛らないとOCCT10分完走しません。6800K二つが4.125GHzで1.2V前後、6900Kが4.0GHzで1.18V。Broadwell-Eってこんな傾向っぽいので、恐らくこの6800Kはとんでもない外れ石なのだと思います。まあ体感は4.125GHz→4.0GHzでもそんなに変化ないし、温度も極端に高くは無いのでワークステーション1号機で使用中。※外れ石…オーバークロック時に回らない石

 

 

Broadwell-E i7-6900Kマシン構成

つい最近 ワークステーション1号機  のCPUを6800K→6900Kに挿し換え。余っていた6800Kでもう一台組もうと思っていたのですが、結局ワークステーション1号機のCPUを6800Kに戻して、6900Kで新規にマシンを組むことにしました。

i7-6900Kマシン、ワークステーション2号機マシン構成について。

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以下、値段は送料込み。

パーツ メーカー・型番 値段 購入店
CPU Intel i7-6900K 112980 ソフマップ
マザーボード MSI X99A TOMAHAWK LGA2011-3 29980-5083 Yahoo!
メモリ Corsair CMK16GX4M4B3200C16(16G) 12480 amazon
グラボ GIGABYTE GV-N1050WF2OC-2GD(GTX1050) 17258 ドスパラ
SSD SanDisk SSD Plus SDSSDA-240G-J25C(240G) 7980 NTT-X
CPUクーラー Noctua NH-C14S 11110 amazon
追加CPUファン 山洋 F12-N/38 2482 ツクモ
PCケース Corsair Carbide 400C White CC-9011095-WW 13657-2312 Yahoo!
追加ケースファン Noctua NF-P14s redux 1500回転 PWM 1778×3 OLIOSPEC
電源 KEIAN KT-F600-12A(再生品) 2780 アバイド
OS Microsoft Windows10 Home 13253 amazon
総額 229294 (221899)

最近、楽天市場への対抗措置のためかYahoo!ショッピングでのポイント還元が大きく、ポイント還元込みの価格の方が実勢に近いので、総額のカッコ内にポイントを考慮した金額も記載。実質22万円強かかりました。

 

・CPU

4→6コアで業務に恩恵があったので、8コアも試しに購入。使い勝手は 6900K 常用OC設定 の項に詳しく書きましたが、4→6コアにした時ほどは恩恵はありませんでした。

 

マザーボード

m.2に加えてu.2コネクタも付いている割に安かったので初のMSI。10年前のM2A-VMからASUSばかり買っていましたが、現行のX99チップセットマザーボードは装備の割にASUSは割高。MSI X99A TOMAHAWK はゲーミングと銘打ってありますがインテルLAN。

 

・メモリ

業務は8Gで足りそうだけど、どうせならクアッドコア・値段も大差ないのでOCメモリ。選定理由は ワークステーション1号機  の時同じですが、今回は値下がりしたPC3200を。まあOCメモリは体感しにくいのですが、気休めで。このメモリ、箱がやけに大きいと思ったらメモリ用の冷却ファンが付属しています。流石コルセア。水冷と組み合わせれば便利そうですが空冷では干渉してしまうので今回は使いません。

 

・グラボ

GIGABYTE GV-N1050WF2OC-2GD Windforce GTX1050購入&インプレ の項にも書きましたが、安価で4K・60Hzに対応で多出力、HDMI2.0対応のものを。

 

SSD

他のマシンからの使い回しで以前買ったもの。TLCですが耐久性や速度も問題ないかと思い購入。

 

・ケース/CPUクーラー/ケースファン

OCするとトップフロー最高峰のNH-C14Sでも冷却が間に合わないi7-6900K。サイドフローの中ではVRM冷却に有利(ツインタワーで真ん中のファンが下寄りに付いている)かつCPU冷却でもトップクラスのNH-D15Sに。ケースはサイドフローのCPUクーラーと相性が良さそうでケース前後長の短いNZXT S340・Corsair 400C・Corsair 400Q・Fractal Design Define C の4つが候補に。S340は持っていて良いケースなのですが他も試したくなり400Cに。エアフローはどれも問題無さそうだったのですがデザインと横開きに惹かれました。業務一辺倒なら400Qにすべきなんでしょうけど、遊び心でつい趣味に走ってしまいました。追加CPUファン、追加ケースファンは使い回し。手持ちで最速マシンになり使用頻度も高くなるので、かつての最速4790K機からnoctuaを剥ぎ取りました。

 

・電源

使い回し。Bronzeの平凡な安物。電源は今まで5台・一番古いもので10年ですが安物でも壊れたこともトラブルも無いので、余り高いものを使う必要性を感じていません。 ワークステーション1号機 の時に買ったプラチナの ANTEC EA-450 が多少期待外れだったのもあります。新規に買うのであれば、このところ資金は潤沢なのでGOLD以上にするとは思いますが。

 

組み立ての様子や、もう少し詳しい個々のパーツインプレやパーツ選定基準などは後日アップ予定。ワークステーション1号機 の時は延び延びになって結局アップしませんでしたが、今度こそは(笑)。

 

i7-6900Kマシンを組むのに最低いくらかかるのか?メモリをクアッドチャネル16G→デュアルチャネル8Gで-0.7万、SSD値下がり分と240→128Gで-0.4万、CPUクーラーを安くてよく冷える忍者あたりで-0.6万、ケースをEnermaxなど最安クラスのものにして-0.8万、ファン類を削って-0.8万。19万円程度でもi7-6900Kマシンは組めると思います。冷却さえクリアしてれば、電源やケースは安物でも問題ないと個人的には思います。CPU以外は体感効果は薄いので拘らなければ通常のもので。まあ体感効果が出やすいCPUも Kaby Lake-S i7-7700K が出てきてるんで、大量のアプリを並行して動かす等々のよっぽど特殊な用途でなければ BroadWell-E より Kaby Lake-S の7700Kの方がよい結果を生むと思います。

MSI X99A TOMAHAWK ゲーミングマザーボード MB3692

MSI X99A TOMAHAWK ゲーミングマザーボード MB3692

 

i7-6900K ASUS X99-A Noctua NH-C14S 暫定常用オーバークロック設定

突然ですがCPUを購入。Intel i7-6900K(8コア)。ワークステーション1号機のCPU、i7-6800Kをそのままi7-6900Kに乗せ換える形で稼働中。早速オーバークロックさせて設定を詰めてみました。

zisakupc.hatenablog.com

上記の構成とCPU以外全く同じ。オーバークロック設定が何故暫定かというと、6800KとNH-C14Sの組み合わせであれば“常用OC”の範囲で十分性能を引き出したクロックに設定できたのですが、6900KとNH-C14Sの組み合わせではOCCTで温度が上がりすぎたためにちょっとクロックを抑え目(電圧も抑え目)にしないとダメでした。常用OCとは一般的に急に必要電圧があがるポイントを探る、つまりCPUの電圧特性がボトルネックとなるOC。今回のOCはCPUの温度が上がりすぎるポイントを探る、CPUクーラー性能がボトルネックとなっているOCで通常の常用OCとは少し異なっています。

 

オーバークロックのやり方は以前とほぼ同じ。

zisakupc.hatenablog.com

なぜ“ほぼ”かというと、メンテナンス性を上げるために設定方針を変えましました。以前はOCに有利になりそうなBIOS設定箇所はとにかく全て変更していました。しかしそのやり方だと不具合が出た時等に再設定する項目が膨大となりメンテナンス性が悪く面倒なので、必要最低限の箇所を変更して安定した常用OCとなるようにしました。以下、BIOS設定変更箇所。

Ai Overclock Tuner XMP
 XMP XMP DDR4-3000 15-15-15-35-1.35V
 CPU Strap 125MHz
 BCLK Frequency 125.0
CPU Core Ratio Sync All Cores
 1-Core Ratio Limit 32
Max.CPU Cache Ratio 28
DRAM Frequency DDR4-3000MHz
EPU Power Savinig モード 無効

Fully Manual Mode Enabled
CPU Core Voltage 1.181250
CPU Cache Voltage 1.181250
CPU System Agent Voltage 1.296875
CPU Input Voltage 1.920

必要最低限の変更にとどめた以外の変更点は、オフセットではなくマニュアルで電圧設定するようにしたこと。デフォルトのAUTOのまま変更していない項目が殆どですが、これでも十分安定して稼働中。

以下ベンチマーク

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一番上の1756は4.125GHzの時の数字。4.0GHzでは1707。ベンチ中に描かれるグラフィックの速さには4790Kなど4コア比では当然ですが、6コアの6800K比でもちょっと驚きます。ベンチではなく体感だと、6800K比でほんの少し便利かなあという程度。4790Kから6800Kにした時ほどの感動はないです。業務中、6800Kではほぼモタ付きが無かった場面が6900Kだとほんの少し更にモタ付きが無くなっているかな程度の違いです。6900Kにしたら、ここほんの少し6800kだとモタ付いてたんだなって気付いたよ、元々6800Kの時もモタ付きって程じゃなかったけどみたいな。6800Kの時も書きましたがCPU負荷が50%超えていたりとか、色んなプログラムを同時に立ち上げ実行しないと6→8コアの恩恵は薄いでしょう。

 

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電圧を1.22Vに設定、125×倍率33の4.125GHzでもOCCTは完走できますが、100℃に度々タッチしてしまい冷却が追い付かず3.5GHzまでクロックダウンしてしまいます。トップフローの最高峰NH-C14S(しかもクーラー上側に38mm厚の140mmファンのSILVERSTONEのSST-FHP141を追加・ケースはCPUクーラー直上に穴が開いているIn Win IW-BWR143B…つまりケースサイドメッシュ→38mm厚140mmファン→空冷フィン→25mm厚140mmファンというトップフローではほぼ最強エアフローな構成)でもダメとなるとサイドフローのCPUクーラーにするしかないでしょうね。

 

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1.18V(マザボBIOS設定1.181250V/CPU-Z読み1.181V)の4.0GHzであればギリギリ100℃にタッチすることはなくクロックの落ち込みもありません。業務はそこまでCPUを酷使するわけではないので1.22Vの4.125GHzでもよさそうですが、やはり安定が第一。安全域を取って1.18Vの4.0GHzで稼働させることにしました。この辺が暫定常用OCである所以。CPUクーラーの性能をもう少し上げれば4.125Ghzはまず問題なくクリアするでしょうね。

 

さて、6800Kが余っているのでX99マシンをもう一台組むことになるかもしれません。現在パーツ選定中。