業務用自作PC製作所

独自の基準で業務用の自作PC製作&メンテナンス等

i7-6900K MSI X99 TOMAHAWK Noctua NH-D15S 常用オーバークロック設定

以前設定した暫定常用OCボトルネックになっていた冷却能力は、CPUクーラーをNH-C14SからNH-D15Sにしたことで大きく改善。そこそこ低電圧で4.125GHzまでのOCは安定していたので、まず4.2GHzでのOCを目指してみます。CPU電圧を徐々に上げていくも、1.26Vまで盛ってもOCCTは数秒でダウン。ここで4.2GHzへのOCは諦め、4.1GHzで安定する設定を探っていきます。多少安全域をとって1.23Vで落ち着きました。MSIのX99A TOMAHAWKはASUS X99-Aに比べると多少電圧を盛らないとOC通りにくいようです。X99A TOMAHAWKには元々37倍以上のOCが不安定でBIOSが更新された履歴があったり、高クロックOCに弱いマザーボードなのかもしれません。または搭載メモリの関係でASUSはベースクロック125MHz・MSIはベースクロック100MHzなので、ベースクロックの違いが関係している可能性も。どちらにしろ、常用OCであれば気にするほどではないレベルです。以下、OC設定。

Simple [Advanced]

CPU Setting
CPU Ratio Aplly Mode [All Core]
CPUの内部倍率を変更 [41]
CPU Ratio Mode [Fixed Mode]
Ring Ratio [35]

DRAM Setting
XMP(Extreme Memory Profile) [Enabled]
DDR 3200MHz 16-18-18-36 1.350V

Voltage Setting
VCCIN Voltage 1.920
CPU Core/Ring Voltage Mode [Override Mode]
CPU Core Voltage 1.230
CPU Ring Voltage 1.235

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CPU電圧はCPU-Z読みでも1.230V。

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CINEBENCH R15。シングル170cb/マルチ1726cb。OCCTは通りませんでしたが、4.2GHzだとシングル175cb/マルチ1770cb。4.1GHzと4.2GHzの体感差は特にありません。

ちなみに4.0GHzの時はクロック・キャッシュクロック共に同じ設定のASUS X99-Aより若干低いスコアでした。全く同じ設定ではないですが、ベースクロック以外はMSIがDDR4-3200に対しASUSがDDR4-3000とMSI有利な設定。マザーの特性というより、これもベースクロックの違いでASUSの方が低電圧かつベンチの数字が出ている可能性も。体感は違いなし。

 

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 さすがツインタワーのNH-D15S、冷却能力はだいぶ余裕あり。冷却能力に余裕はあるけど今度は6900K自体のOC特性の問題で4.0GHzから大してクロックを上げることはできませんでした。常用だと4.1GHz近辺。

さて、このi7-6900KというCPU。AMDRYZEN登場でだいぶ存在意義が問われています。ベンチの数字を見る限り、常用域ならほんの少し6900Kに分がありそうですが、価格差を考えると1800Xでしょうね。

ちなみに業務で使うなら4790K(4コア・シネベンチ941)と6800K(6コア・シネベンチ1317)は差が感じられ、6800Kと6900K(8コア・シネベンチ1726)はそれ程は差が感じられなかったので6コアの1600Xが気になるところ。1800Xの税込6.5万から単純計算すると3.4万、RYZENマザーボードの安さを考えるとi7-6800Kよりだいぶ安く済みそう。今ゼロからシステムを組むなら1600Xを選びます。

まあ業務で使ってるとなると営業日に穴をあけるわけにはいかないので、必要な時が買い時、壊れても保証期間中でも交換品を即買いしなければならず、待ってはいられません。次回システム更新時や業務拡張時にはインテルAMDがどんなラインナップになっているのか楽しみです。

インテルのメインストリーム・コンシューマ向けCPUが4コアで止まってる理由

インテルのi7-4790K・6800K・6900Kと使って分かったことは、ブラウジングやゲームなど“世間一般の大多数”の用途ではマルチスレッド性能よりもシングルスレッド性能の方が大事だったりする。つまり、メインストリーム向けに6コアを出してしまうと、4コアより高いお金を出したのに性能はよくないぞと“世間一般の大多数”の消費者は不満を持つ事態になってしまう。しかし現状は6コア・8コア・10コアとコアを増やすと技術的な問題で高いクロックのものは作れない。そんなわけでインテルのメインストリームは4コアのままコアは増やさずに進化を続けているのかなあと。6コア以上はこの辺の事情が分かっているエンスージアスト向けにプラットフォームを分けて発売し、前述のような不満が出てしまう事態を回避しているわけです。

ここで流れが変わってきそうなのがAMDRyzenが発売されること。

AMD Ryzen CPU Core
/Threads
L3 TDP Base Turbo XFR Price
Ryzen 7 1800X 8/16 16MB 95W 3.6GHz 4.0GHz 4.0GHz+ $499
Ryzen 7 1800 Pro 8/16 16MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 7 1700X 8/16 16MB 95W 3.4GHz 3.8GHz 3.8GHz+ $389
Ryzen 7 1700 8/16 16MB 65W 3.0GHz 3.7GHz N/A $319
Ryzen 5 1600X 6/12 16MB 95W 3.3GHz 3.7GHz 3.7GHz+ $259
Ryzen 5 1600 6/12 16MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 5 1500 6/12 16MB 65W 3.2GHz 3.5GHz 3.9GHz+ $229
Ryzen 5 1400X 4/8 8MB 65W 3.5GHz 3.9GHz N/A $119
Ryzen 5 1400 4/8 8MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 5 1300 4/8 8MB 65W 3.2GHz 3.5GHz 3.8GHz $175
Ryzen 3 1200X 4/4 8MB 65W TBA 3.4GHz N/A $149
Ryzen 3 1200 4/4 8MB 65W TBA TBA N/A TBA
Ryzen 3 1100 4/4 8MB 65W 3.2GHz 3.5GHz N/A $129

※XFR・・・冷却性能依存の自動OC機能

リークされたラインナップを見ると、AMDRyzenは6コア・8コアでもかなり値段がリーズナブル。性能も6800K、6900Kに匹敵するとか?この辺は実際の数字が出てこないと何とも言えませんが。これでインテルも6コア・8コアをメインストリームに投入せざるを得なくなってくるでしょう。現行のBroadwell-Eのようなものでは4コア比で体感遅いと消費者の不興を買う事態になってしまうので、ここでやっとインテルも多コア・高クロック路線に本腰を入れてくるのではと予想。AMDの安さや消費電力の低さばかり話題になっていますが、個人的には6コア以上の多コア高クロックCPUこそ求めるものなので、そういう方向でインテルAMDが競い合って開発が一気に進めばいいかなあと思っています。

 

ダンボール製PCケース自作 羊の皮をかぶった狼?

PCケースが足りない事態になってしまい・・・

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急遽、ダンボール製PCケースを自作?という程のものではないけど。ほぼダンボールの上に置いただけ。あくまで緊急避難用なので、電源は外付け仕様。

 

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noctua NH-D15Sがちょうどいい高さ。

 

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背面コネクタ、グラボの穴は現物合わせでカッターで切りぬき。中身は4.0GHzにライトOCしたi7-6900K、外見はダンボールでも中身はハイパワーマシン。一応、排熱ファンだけは付けておきました。山洋電気のF12-PWM。最低回転数が高めの850rpmかつ回転数の割に音が大きいのでお蔵入りになっていたファン。上2点しか止めていません。2点止めは普通に自作する際でもCPUクーラーにファンを付ける時はよくやります。対角だけ止めておけば十分ですし、メンテ時の付け外しの時に楽です。今回は対角より上2点の方が安定しそうなので上2点。

 

それと画像では見えませんがグラボのブラケットがダンボール底面側に抜けるように穴あけ。そうしないとグラボがマザーボードに完全に刺さらず浮いてしまいます。

 

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稼働中。corsairの400Cに入れていた時と比べて多少温度が上がりやすいようです。吸気ファンも付けようかな?

 

ダンボール製PCケースは発火の恐れがあるため、常用は止めた方がいいかも。目の届く場所での緊急避難用や、動作確認用ぐらいですね。今週はこれで乗り切るツモリですが、来週までにはマトモなPCケースに収めたい。

 

i7-6800K 外れ石 常用オーバークロック設定

i7-6800Kを扱うのは諸事情で3つ目なのですが、一つ目の6800KはCPU-Z読みで1.195Vで4.125GHz 、二つ目の6800Kについては同じく4.125GHzの場合1.2Vをわずかに超える程度でOCCT10分を完走することができました。しかし3つ目の6800Kは何とCPU-Z読みで1.25Vまで電圧を盛らないと4.0GHzを完走できません。4.125GHzじゃなく4.0GHzが1.25V。こんな外れ石もあるんですね…トホホ。以下、ASUS X99-AのBIOS設定変更箇所。

Ai Overclock Tuner XMP
 XMP XMP DDR4-3000 15-15-15-35-1.35V
 CPU Strap 125MHz
 BCLK Frequency 125.0
CPU Core Ratio Sync All Cores
 1-Core Ratio Limit 32
Max.CPU Cache Ratio 28
DRAM Frequency DDR4-3000MHz
EPU Power Savinig モード 無効

Fully Manual Mode Enabled
CPU Core Voltage 1.250000
CPU Cache Voltage 1.250000
CPU System Agent Voltage 1.290625
CPU Input Voltage 1.920

6900K の時と同じくオフセットではなくマニュアルで設定しみました。ちなみにオフセットでも電圧はこのぐらいまで盛らないとOCCT10分完走しません。6800K二つが4.125GHzで1.2V前後、6900Kが4.0GHzで1.18V。Broadwell-Eってこんな傾向っぽいので、恐らくこの6800Kはとんでもない外れ石なのだと思います。まあ体感は4.125GHz→4.0GHzでもそんなに変化ないし、温度も極端に高くは無いのでワークステーション1号機で使用中。※外れ石…オーバークロック時に回らない石

 

 

Broadwell-E i7-6900Kマシン構成

つい最近 ワークステーション1号機  のCPUを6800K→6900Kに挿し換え。余っていた6800Kでもう一台組もうと思っていたのですが、結局ワークステーション1号機のCPUを6800Kに戻して、6900Kで新規にマシンを組むことにしました。

i7-6900Kマシン、ワークステーション2号機マシン構成について。

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以下、値段は送料込み。

パーツ メーカー・型番 値段 購入店
CPU Intel i7-6900K 112980 ソフマップ
マザーボード MSI X99A TOMAHAWK LGA2011-3 29980-5083 Yahoo!
メモリ Corsair CMK16GX4M4B3200C16(16G) 12480 amazon
グラボ GIGABYTE GV-N1050WF2OC-2GD(GTX1050) 17258 ドスパラ
SSD SanDisk SSD Plus SDSSDA-240G-J25C(240G) 7980 NTT-X
CPUクーラー Noctua NH-C14S 11110 amazon
追加CPUファン 山洋 F12-N/38 2482 ツクモ
PCケース Corsair Carbide 400C White CC-9011095-WW 13657-2312 Yahoo!
追加ケースファン Noctua NF-P14s redux 1500回転 PWM 1778×3 OLIOSPEC
電源 KEIAN KT-F600-12A(再生品) 2780 アバイド
OS Microsoft Windows10 Home 13253 amazon
総額 229294 (221899)

最近、楽天市場への対抗措置のためかYahoo!ショッピングでのポイント還元が大きく、ポイント還元込みの価格の方が実勢に近いので、総額のカッコ内にポイントを考慮した金額も記載。実質22万円強かかりました。

 

・CPU

4→6コアで業務に恩恵があったので、8コアも試しに購入。使い勝手は 6900K 常用OC設定 の項に詳しく書きましたが、4→6コアにした時ほどは恩恵はありませんでした。

 

マザーボード

m.2に加えてu.2コネクタも付いている割に安かったので初のMSI。10年前のM2A-VMからASUSばかり買っていましたが、現行のX99チップセットマザーボードは装備の割にASUSは割高。MSI X99A TOMAHAWK はゲーミングと銘打ってありますがインテルLAN。

 

・メモリ

業務は8Gで足りそうだけど、どうせならクアッドコア・値段も大差ないのでOCメモリ。選定理由は ワークステーション1号機  の時同じですが、今回は値下がりしたPC3200を。まあOCメモリは体感しにくいのですが、気休めで。このメモリ、箱がやけに大きいと思ったらメモリ用の冷却ファンが付属しています。流石コルセア。水冷と組み合わせれば便利そうですが空冷では干渉してしまうので今回は使いません。

 

・グラボ

GIGABYTE GV-N1050WF2OC-2GD Windforce GTX1050購入&インプレ の項にも書きましたが、安価で4K・60Hzに対応で多出力、HDMI2.0対応のものを。

 

SSD

他のマシンからの使い回しで以前買ったもの。TLCですが耐久性や速度も問題ないかと思い購入。

 

・ケース/CPUクーラー/ケースファン

OCするとトップフロー最高峰のNH-C14Sでも冷却が間に合わないi7-6900K。サイドフローの中ではVRM冷却に有利(ツインタワーで真ん中のファンが下寄りに付いている)かつCPU冷却でもトップクラスのNH-D15Sに。ケースはサイドフローのCPUクーラーと相性が良さそうでケース前後長の短いNZXT S340・Corsair 400C・Corsair 400Q・Fractal Design Define C の4つが候補に。S340は持っていて良いケースなのですが他も試したくなり400Cに。エアフローはどれも問題無さそうだったのですがデザインと横開きに惹かれました。業務一辺倒なら400Qにすべきなんでしょうけど、遊び心でつい趣味に走ってしまいました。追加CPUファン、追加ケースファンは使い回し。手持ちで最速マシンになり使用頻度も高くなるので、かつての最速4790K機からnoctuaを剥ぎ取りました。

 

・電源

使い回し。Bronzeの平凡な安物。電源は今まで5台・一番古いもので10年ですが安物でも壊れたこともトラブルも無いので、余り高いものを使う必要性を感じていません。 ワークステーション1号機 の時に買ったプラチナの ANTEC EA-450 が多少期待外れだったのもあります。新規に買うのであれば、このところ資金は潤沢なのでGOLD以上にするとは思いますが。

 

組み立ての様子や、もう少し詳しい個々のパーツインプレやパーツ選定基準などは後日アップ予定。ワークステーション1号機 の時は延び延びになって結局アップしませんでしたが、今度こそは(笑)。

 

i7-6900Kマシンを組むのに最低いくらかかるのか?メモリをクアッドチャネル16G→デュアルチャネル8Gで-0.7万、SSD値下がり分と240→128Gで-0.4万、CPUクーラーを安くてよく冷える忍者あたりで-0.6万、ケースをEnermaxなど最安クラスのものにして-0.8万、ファン類を削って-0.8万。19万円程度でもi7-6900Kマシンは組めると思います。冷却さえクリアしてれば、電源やケースは安物でも問題ないと個人的には思います。CPU以外は体感効果は薄いので拘らなければ通常のもので。まあ体感効果が出やすいCPUも Kaby Lake-S i7-7700K が出てきてるんで、大量のアプリを並行して動かす等々のよっぽど特殊な用途でなければ BroadWell-E より Kaby Lake-S の7700Kの方がよい結果を生むと思います。

MSI X99A TOMAHAWK ゲーミングマザーボード MB3692

MSI X99A TOMAHAWK ゲーミングマザーボード MB3692